身寄りのない人がアパートで死亡したら?大家・管理会社が取るべき対応と備え
入居者に身寄りのない方がいた場合、万が一のときには、遺品整理や原状回復、契約の処理など、 大家さんや管理会社にさまざまな対応が求められます。すでにそのような状況に直面している方はもちろん、 「もし自分の物件で起きたらどうしよう」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。 この記事では、いざという場面で慌てずに対応できるよう、大家さん・管理会社の立場から 知っておきたい基本的な流れや対応方法をわかりやすく整理して解説します。
身寄りのない人がアパートで死亡した場合の基本的な流れ
アパートで身寄りのない入居者が亡くなった場合、大家さんや管理会社には さまざまな対応が求められます。適切な対応ができないと、金銭的な損失や 近隣住民とのトラブルにつながるおそれがあります。突然の出来事に戸惑ってしまうのは 当然ですが、まずは落ち着いて、次のステップに沿って行動することが大切です。
1.まずは警察へ通報する
入居者の異変に最初に気づくのは、近隣住民や管理会社、大家さんであることが多く、 部屋からの異臭や、郵便受けにたまった郵便物、新聞などがきっかけになることも少なくありません。 室内で亡くなられていることを発見した場合には、 必ず119番ではなく110番で警察に通報してください。
身寄りの有無にかかわらず、亡くなられた方への対応は警察の管轄となり、 状況に応じて検視や検死が行われます。大家さん・管理会社が独自に判断して 手続きや片付けを進めてしまうと、のちの調査や手続きに支障が出る可能性があります。
2.ご遺体や家財には触れない
室内の状況が気になっても、ご遺体や家具・家電・荷物などには一切手を触れないようにしましょう。 「片付けたほうが良いのでは」「ゴミだけでも処分しておこう」と思うかもしれませんが、 そうした行為が後の調査に影響したり、トラブルの原因となったりするおそれがあります。
不安な状況ではありますが、警察へ通報したあとは、指示があるまで現場の状態を変えずに 待機することが重要です。共用部の安全確保や近隣住民への簡単な説明など、 できる範囲の対応に留めましょう。
3.救急車を呼ぶのは原則NG
すでに亡くなられていることが明らかな場合には、救急車ではなく警察に連絡するのが正しい手順です。 救急車は基本的に「救命活動」のためのものであり、死亡が明らかなケースでは 出動しても対応ができません。
うっかり救急車を呼んでしまうと、結果的に現場での対応が遅れ、 警察や関係機関の到着を待たなければならなくなることもあります。 慌てず、「まずは警察」という基本を押さえて行動しましょう。
身寄りのない人が死亡した時の大家・管理会社の主な課題
身寄りのない入居者がアパートで亡くなった場合、まずは警察が現場の確認や身元の特定などの 初動対応を行います。その後、親族がいない、あるいは連絡が取れない場合には、 警察から自治体へ連絡が入り、遺体の引き取りや葬儀の手配が依頼される流れが一般的です。
一方で大家さんや管理会社には、遺品の整理・部屋の原状回復・賃貸契約の処理など、 実務的な対応が求められます。状況によっては法的な手続きも必要になるため、 事前に流れを理解しておくことが大切です。
遺品整理と財産整理
入居者が遺した家具・家電・生活用品などは、たとえ賃貸物件内に残されたものであっても、 大家さんや管理会社が勝手に処分することはできません。民間の賃貸住宅の場合、 自治体が遺品や財産の整理を行うことは原則なく、相続人や相続財産管理人が 手続きを行うことになります。
相続人がいない、または不明な場合には、家庭裁判所に 「相続財産管理人」の選任を申し立てる必要があります。相続財産管理人とは、 遺品や財産の調査・管理・売却・処分などを法律に基づいて行う専門家で、 主に弁護士や司法書士が選任されます。
選任後は家庭裁判所の監督のもと、遺品整理や売却、賃貸物件の明け渡し・原状回復など、 必要な手続きが進められます。専門家が間に入ることで、大家さん・管理会社の 負担やトラブルのリスクを減らすことができます。
部屋の原状回復と特殊清掃
室内で亡くなられてから発見までに時間がかかった場合、汚れや臭いが広がり、 害虫が発生していることも少なくありません。このような状態では、 一般的なハウスクリーニングだけでは対応が難しく、 専門業者による特殊清掃や消臭・除菌作業が必要になるケースが多く見られます。
また、入居者が自ら命を絶たれた場合などは、しばらくの間、 新たな入居者が見つかりにくくなり、家賃収入が途絶える期間が生じる可能性もあります。 こうした損失については、相続人や連帯保証人がいる場合、状況に応じて 補償を求められることもありますが、病気や事故など自然な経緯で亡くなられたケースでは、 補償を求めることが難しいのが現状です。
賃貸契約と家賃の精算手続き
入居者が亡くなった場合でも、賃貸借契約は自動的に消滅するわけではありません。 敷金の精算や未払い家賃の回収、原状回復費用の負担などは、原則として相続人に引き継がれます。 相続人がいない・連絡が取れない場合には、前述の相続財産管理人を通じて手続きを進めていきます。
手続きを後回しにすると、家賃の損失が膨らんだり、原状回復や次の募集開始が遅れたりする おそれがあります。早めに専門家へ相談し、対応の優先順位を整理しておくことが重要です。
葬儀や火葬は誰が行うのか
身寄りのない人が亡くなった場合、葬儀や火葬の手配を大家さんや管理会社が行う必要はありません。 このようなケースでは、法律に基づき、市区町村などの自治体が火葬や埋葬を行います。 費用についても自治体が立て替えや精算の手続きを行うため、 大家さんや管理会社が葬儀費用を負担することは原則としてありません。
ただし、警察や自治体との連絡・確認など、一定のやり取りが必要になる場合があります。 関係機関からの連絡には誠実に対応し、記録を残しながら進めると安心です。
遺品整理・原状回復は特殊清掃のプロに任せるのがおすすめ
身寄りのない人が亡くなったお部屋では、遺品整理や原状回復の負担が大家さん・管理会社に のしかかってくるケースが少なくありません。しかし、精神的・肉体的な負担が大きいだけでなく、 専門知識がないまま無理に対応しようとすると、臭いの再発や近隣からのクレームなど、 新たな問題を招いてしまうこともあります。
こうしたリスクを避けるためには、特殊清掃の専門業者に任せるのがもっとも安全で確実です。
特殊清掃とは
特殊清掃とは、孤独死や事故現場、事件現場など、通常の清掃では対応できない状況に対して行われる 専門的な清掃サービスです。一般的なハウスクリーニングでは落としきれない 重度の汚染や強い臭いに対し、衛生面・安全面に配慮しながら適切な処置を行います。
主な作業内容の一例は次の通りです。
- ご遺体の腐敗によって発生した体液・汚染物質の除去
- 死臭・腐敗臭など強い悪臭の脱臭・消臭(オゾン脱臭機等を使用)
- ハエ・ウジなど害虫の駆除と再発防止対策
- 汚れた床・壁などの洗浄や、必要に応じた張り替え
- 消毒・除菌作業による衛生環境の回復
- 状況に応じた遺品整理や簡易な仕分け作業
近年、孤独死や事故死が増えていることもあり、特殊清掃を依頼する大家さんや管理会社は 決して少なくありません。適切な業者を選ぶことが、物件と入居者を守るうえで大切なポイントです。
専門業者に依頼する5つのメリット
-
衛生環境をしっかり回復できる
体液や腐敗による汚染物質を、専門の技術と薬剤を使って徹底的に除去します。 ウイルスや細菌の繁殖を防ぎ、安全で清潔な状態に戻すことができます。 -
強い臭いや害虫の問題を根本から解決できる
市販の消臭剤では消えない臭いも、専用のオゾン脱臭機や薬剤で分子レベルから分解・除去。 発生源にもアプローチし、再発防止の対策まで行います。 -
大家さん・管理会社の精神的負担を軽減できる
事故現場や孤独死の現場に立ち入ることは、大きなストレスを伴います。 専門業者に作業を任せることで、関係者の心の負担を大きく減らすことができます。 -
近隣や物件全体への影響を最小限に抑えられる
腐敗臭が建物内に広がることや、害虫が他の部屋へ移ってしまう前に早期対応することで、 近隣住民への迷惑やクレームを未然に防げます。物件の資産価値を守るうえでも重要です。 -
時間と手間を大幅に削減できる
慣れない作業に追われることなく、大家さんや管理会社は 契約の解約手続きや次の入居募集など、本来の業務に集中できます。 専門業者の迅速で的確な対応が、全体の負担を大きく減らしてくれます。
特殊清掃・原状回復は“こころ屋”におまかせください
特殊清掃や原状回復が必要な場面では、実績豊富な 「特殊清掃・消臭消毒・原状回復専門 こころ屋」にぜひご相談ください。
こころ屋は、東京都東大和市を拠点に、東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県など 首都圏エリアを中心に幅広く対応している特殊清掃・原状回復の専門サービスです。 孤独死や身寄りのない方のお部屋の原状回復はもちろん、 ゴミ屋敷・ペット屋敷といった特殊な清掃にも対応可能です。
対応前後のビフォーアフター写真や具体的な作業事例は、 公式サイト内の「作業事例」ページでご覧いただけます。 現場の状況に応じて、必要な作業内容や費用の目安も丁寧にご説明いたします。
「どこに相談してよいかわからない」「まずは状況だけ聞いてほしい」という段階でも構いません。 お電話・メール・LINEなど、連絡しやすい窓口からお気軽にご相談ください。
身寄りのない方の死亡に備えて今からできること
身寄りのない人が亡くなった際には、警察や自治体とのやり取り、遺品整理、原状回復、 賃貸契約の処理など、大家さんや管理会社が対応すべきことが数多く発生します。 相続人がいない場合には、相続財産管理人の選任など法的な手続きも必要になります。
こうした事態は、ある日突然やってきます。しかし、事前に 「発生時の連絡先」「専門業者の候補」「大まかな流れ」を把握しておくことで、 実際にトラブルが起きたときにも落ち着いて対応しやすくなります。
こころ屋では、孤独死や身寄りのない方のケースに関するご相談を 事前のご相談ベースから無料でお受けしています。 「万が一のときの備え」として情報を整理しておきたい大家さん・管理会社さまも、 どうぞお気軽にお問い合せください。








